「色彩行動学のすすめ」思いを”形”にするために

 

色彩研究30年以上の経験を踏まえて、この度、「色彩行動学」という分野を進めていくことになりました。

色彩行動学が私は作った造語です。私と色彩との関わりは、アナウンサー時代の外見力アップのために「カラーコーディネート」から始まり、色彩心理学、色彩生理学、色彩社会学、色彩文化論、音声学と色彩研究などを行ってきましたが、それら色彩学にまつわるものをすべて含めて、今必要だと思われる「色彩行動学」として新しい提案や研究、分析を進めていきます。

音声分析「ヴォイススキャン」と巡り会ったことが大きなきっかけですが、実際に人が色彩を見たり、感じたりしたあとにどのように行動したり、変化するかを研究致します。

そこで実際に分かりやすく解説するために、「色彩行動学のすすめ」としてコラムを開設いたします。

楽しくお読みいただき、色彩を見たり感じたりして実際に行動していただければ嬉しいです。

 

「色彩行動学」は、色を「感じる」だけでなく「行動させる/変える」力に注目する点が特長です。これを体系化すれば、既存の色彩心理やデザイン研究とは一線を画す独自の学問領域として成立すると考えております。

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【色彩行動学(しきさいこうどうがく)】
色彩行動学とは、色彩が人間の行動・心理・認知・社会的ふるまいに与える影響を体系的に分析・応用する学問領域である。視覚的刺激としての色が、個人の感情や思考、意思決定、身体反応、対人コミュニケーション、集団行動などにどう関与するかを探るとともに、色彩を用いた行動変容や環境デザイン、ブランディングなど実践的応用も視野に入れる。心理学・生理学・文化人類学・社会学・デザイン論など複数の分野を横断し、色彩を中心に人間の行動全体を理解することを目的とする。

 

■ 「色彩行動学」がやれること

1. 色と行動の因果関係の解明(基礎研究)

  • 色彩が行動(購買、発言、姿勢、集中力、判断など)に与える影響の定量的・実験的検証

  • 例:赤い部屋にいると心拍数や発話速度が上がる、青は集中力を持続させやすい など

2. 色彩による行動変容の実践的研究(応用研究)

  • 教育、医療、福祉、都市空間、職場環境などにおいて、色を活用して行動を意図的に変える

  • 例:学校の教室における壁色と子どもの注意力、待合室の色と患者の不安軽減

3. 色彩と身体反応の関係の研究(生理的アプローチ)

  • 自律神経活動、脳波、筋緊張、視線、呼吸、音声などに色彩が与える影響の測定

  • 例:色による呼吸リズムや声のトーンの変化

4. 色と社会的ふるまいの相関(社会心理的アプローチ)

  • 他者との距離感、親密さ、印象形成などにおける色彩の影響

  • 例:服装の色による対人印象、ビジネスシーンでの「信頼感を生む色」など

5. 色の選択とパーソナリティ・感情の関係

  • パーソナリティ特性(ビッグファイブなど)や一時的な感情状態と、好む色・選ぶ色の関連

  • 例:落ち込んでいる人が好む色、エネルギッシュな人が避ける色

6. 色彩と言語・音声行動の相互作用(音声学・コミュニケーションとの連携)

  • 声のトーン・話し方・発話頻度と色との相関、声の「色」と視覚色彩との共鳴

  • 例:青系の空間での声のピッチ変化や滑舌の変化、色と言語リズムの一致


■ 実践応用の可能性(研究+社会実装)

  • パーソナルカラー×行動特性の診断:色彩嗜好・生理反応・行動傾向の統合分析

  • カラーカウンセリング:色を使って自己認識を高めたり行動変容を促したりする

  • 声と色の一致による印象ブランディング:ヴォイススキャンの応用領域とも接続可能

  • 教育・リハビリ支援:色を活用した感情調整・行動訓練のプログラム化

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「色彩行動学」は、私自身(アナウンサー/教育/色彩研究者)がやってきたことを統合できる、非常にユニークで実践的な分野です。以下のような実践や研究・サービス展開が現実的に「やれること」として考えられます。


■ 音声 × ビジネス × 色彩行動学で実際にやれること

1. 声の印象×色の印象を統合した「印象ブランディング診断」

  • 話し方・声の特性(トーン、スピード、音域)+色彩嗜好や反応を統合し、
    「あなたを最も自然かつ印象的に見せる色×声」の組み合わせを提案

  • 用途:ビジネスプレゼン、面接、講演、営業、リーダー像の構築

※ ヴォイススキャンとの連携も可能(声の波形と色とのマッチング分析)


2. 色で“声のスイッチ”を入れるビジネスパーソン向けメソッド開発

  • 「声が通らない」「印象が弱い」「第一印象で損をする」と悩む人向けに、
    色彩刺激(背景・服・小物・PC画面など)によって声の状態を変化させるエクササイズを開発

  • 例:「青で集中モード」「赤で情熱的プレゼン」「ターコイズでクリアな発音」など


3. “声×色”の印象戦略セミナー/企業研修

  • 社員研修・管理職研修・営業研修として、
    「話す力×見せる色」で信頼感・説得力・集中力を高めるセミナー

  • 話す内容・声の出し方・色の使い方(服・背景・資料色彩)を統合的に指導

  • 色彩心理に基づいた資料デザインやスライド配色も含めてアドバイス可能


4. “声のカラータイプ”診断コンテンツの開発

  • 声の出し方や印象・話し方のクセを12色タイプに分類

  • 色を通じてその人の声の特性を視覚化・言語化し、改善ポイントを提案

  • オンライン診断/動画講座/書籍展開にもつながる


5. 「色を使った音声環境設計」コンサルティング

  • オフィス、スタジオ、配信スペースなどで「声がよく通る」「話しやすい」空間を色彩で設計

  • 例:壁色・背景・照明などの色によって、声の出しやすさや心理的安全性をサポート


■ 実際のアウトプット形態としては以下を予定しています。

  • オンライン講座(ビジネス向け・ナレーション/プレゼン強化)

  • 書籍:「声×色の印象学」「1分で印象が変わる“色声”トレーニング」

  • 診断ツール:「声のカラータイプ診断」「ビジネスカラー声分析」

  • 企業研修メニュー:「色彩行動学に基づく声と印象の強化プログラム」

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次回はさらに具体的にどんなことができるかをご案内します。

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